奥村 研太郎

「地図」および「翻訳行為」を手掛かりに、自身が世界を捉える時の態度を客観視することを鑑賞者に促すような作品を、立体と映像を組み合わせる形式で模索する。
L.ウィトゲンシュタイン著『論理哲学論考』において展開される写像理論とH.ベルクソンの思想の中心概念であるイマージュとしての物質が、それぞれ作品における「微分された現実の模型/創作物としての地図」=映像と「映像が投影される構造物」に対応する。
通常は結び付けられることの少ない2人の哲学者であるが、時間観念(ベルクソン側から)、および意味のパラドクス(ウィトゲンシュタイン側から)という中心的な議論から両者を接近させ、作品の体験の場で融合させることを試みる。

Profile

1999年 東京生まれ。
2022年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒。
2020年 安宅賞
2021年 上野芸友賞
2021年 宮若国際トリエンナーレ入賞